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その魔法は世界の一欠片

赤く塗られた扉が目の前にあった。手をかけてゆっくり開くと謎の文様が浮かび上がる。この部屋に入ったことは学生時代も指導員になってからも一度もない。文様は私の知らない防護魔法の陣か、それとも入退室の記録がされる自動書記系の陣だろうか。火薬草の保…

栗鼠と火薬草

「これは……火薬草」袋に刻まれた防火の魔法陣を見て、水をまとわせたつもりでいた無防備な手に気付く。今のところ目立った命の危険に晒されてはいないとはいえ、この未曾有の緊急事態で魔法が使えないことを度々忘れそうになってしまうのは如何なものか。袋…